貴方はもう忘れたかしら
速いパソコン サーバーにして
二人で行った 横町の現場
一緒に出ようねって言ったのに
いつも私が待たされた
アルミのキーが 芯まで冷えて
エンターキーが カタカタ鳴った
貴方は私の身体を抱いて
冷たいねって言ったのよ
若かったあの頃 何も怖くなかった
ただ貴方の見積もりが怖かった
貴方はもう捨てたのかしら
2万4千円のタブレット買って
貴方が書いた 私の似顔絵
巧く書いてねって言ったのに
いつもちっとも似てないの
窓の開かない新たな現場
三畳一間の小さな居室
貴方は私の指先見つめ
悲しいかいって聞いたのよ
若かったあの頃 何も怖くなかった
ただ貴方の有給が怖かった
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