2017年12月22日金曜日

ちがう!これは涙じゃない!

この記事は 人体改造 Advent Calendar の22日目です。

幼少の頃より視神経に障害があると言われ続けたかけなびさんは、とうとう22歳の時に手術をすることになりました。
障害はあるがパソコンを触らなければ問題ないから気にするなと言われ続けたにも関わらず、その道を選んでしまったのだから仕方ありません。

治療をすることはできない障害でしたが、もしかしたら緩和できるかもしれないという手術です。
眼球を動かす6本の筋肉のうち2本、つまり両目で合計4本の筋肉を、一度切り離して短くした上で眼球に縫いつける手術です。
全身麻酔をして数時間の手術だったと聞いています。
数日間は包帯が外せませんでしたし、数週間は眼球が腫れて視力がありません。
しかしさらに数週間で視力は戻り始め、元の生活が送れるようになりました。
先生を始め関係各位のおかげです。

ただ、ひとつ気になることがありました。
縫い合わせた手術ならば、抜糸という手順があるのではないか。
残念ながら予感は当たったのです。
経過観察に通院したところ、よし抜糸をしようと言われ、目薬を刺されました。
この目薬はすぐに麻酔の効果がでるから問題がないとのことです。
問題がないとは、どういうことでしょう。
ここはただの診察室で、手術室ではありません。
抜糸はどこで行うのでしょう。
診察室の椅子に座り、両手を膝の上で握った私の手の甲に汗がにじみます。
これはもしかして。
このまま抜糸ということなのか。
私は運を使い果たしたのかもしれません。またもや予感は当たったのです。
絶対に動くなよ、絶対に前を見たままでいろよ。
という言葉と共にまっすぐに眼球に近づいてくる抜糸用のハサミとピンセットを、復活した私の視力はしっかり捉えていました。

思い出すと今でも気が遠くなりますが、これを4回施術して、抜糸は無事に終わりました。
眼球から血が出ているときに目を閉じてガーゼをあてると、ガーゼにはまつげの形に血が付くことをしりました。
知りたくありませんでした。

皆さんも、目だけは大切にしてください。

ちなみに、思ったよりもうまく行った気がするので学会で発表をさせてくれと言われたのは、また後日のお話し。先生、それはつまり実験だったのでは。思ったよりってなんだ思ってよりって。

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