2013年10月29日火曜日

人の造りしもの。

「すいません、先輩。車で送って貰っちゃって」
「気にすんなよ。毎晩遅くまで大変だな」
「ありがとうございます。でもそれを知ってる先輩も、毎晩遅くまで残業じゃないですか」
「あー。まあ、ほら、あれだ。世の中には、物理残業と論理残業があってだな」
「ないです」
「仕方ねえだろ。やらなきゃいけないことだらけだ。やってもすぐに結果が出るわけじゃないし。やれるだけのことをやっても結果が出ないならそれが俺の実力だし」
「そりゃまあ、そうなんですが。あ、そういえば先輩。僕この前Twitterで見たんですけど」
「なんだよ」
「労働基準法を守ってたら経営なんかやってられないって発言した人が炎上してました」
「まさに火を見るより明らかってやつだな」
「ひどいこと言いますよね!」
「そうだな。その人の言ってることは、間違ってる。ただ、お前にはひとつ伝えておきたいこともある」
「なんですか」
「お前の家に向かってるこの道路の制限時速が何Km/hか知ってるか」
「40km/h制限です」
「で、いまこの車は?」
「メーター見るまでもなくもっと速いです。っていうか、40km/hで走ったら、後ろからクラクション慣らされますよ」
「そうか。道路交通法を守ってたら運転なんかやってられない、か」
「・・・・・」
「だがな。飲酒運転やひき逃げのように、僅かな違反も絶対に許されない部分もある。立場が違って歩行者から見れば、制限時速超過だって絶対に許せないかも知れない。分かるか」
「分かりません。分かりたくもありません。」
「若いな。ほら、着いたぞ。お疲れ」
「今日はありがとうございました。お気をつけてお帰りください。寄り道とか拾い食いとかしないでくださいね」
「お前なあ、それが社会人に言うことか」
「先輩の場合は、会社人ですからねえ」

2 件のコメント :

  1. 寄り道して送ってもらったクセにひどい言い分である

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    1. まったくである!
      褒め言葉のつもりだったらしい!

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