2014年3月12日水曜日

腐ったモノは捨てて作り直すしかない。

昔、城を作った無名の大工は、自分名前が刻まれた大事な大工道具を、わざと屋根裏に忘れることがあったそうだ。
残らない自分の名前を、誰に知られることもなく城に残す。

初めてこのことを知ったときは、自分の名前が残らない悔しさが原動力となった行動かと思っていた。
十年が経ち、いま改めて思うのは、悔しさより強い想いを感じるということだ。

大工は、自分の名前を残す城に、いい加減な仕事が出来るだろうか。
自分の全力を出し切る仕事だから、誇りを持って名前を残したのではないか。
城の建設ラッシュからは数百年経ったが、人間が仕事をして生きて行くことに変わりは無い。
名前を残したいと思えるような仕事をしよう。
そして、名前を残せる仕組みを作ろう。

自分の名刺も出せないような暗黙のルールのがある世界から、良い物はできない。
絶対にだ。

手を動かす者は誇れる仕事をし、手を動かした者が誇りを持てる仕組みを作る。
当たり前としか思えないのだが、だからこそ現実がそうなっていないことが不自然で不愉快だ。

一度腐ったモノは元には戻らない。捨てて作り直すしかない。


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