ご存じの方も多いと思うが、これは大きく3つの技術が使われている。
・GPS(A-GPS)
・Wi−Fi情報
・基地局情報
それぞれに一長一短があるので補完し合うようにして現在地を特定している。
加速度センサーで補完する話もあったりするが、詳細は大変長くなるので割愛する。
今回取り上げるのは、「Wi-Fi情報」に関してだ。
Wi-Fiの利便性と関連機器の価格低下に伴い、無秩序にあふれかえっている。
今や普段の生活圏内において、なにかしらのWi-Fiの電波が見当たらない場所の方が少ないという方も多いだろう。
個人家庭には既に行き渡った感があるが、外国からの観光客誘致という大義名分や、携帯電話網からのオフロードという理由もあり、今後も増加は止まらないだろう。
そんな無秩序さに拍車を掛けるべく、新たな仲間が加わった。
docomoの協力による提供であるから、バスに携帯電話の通信網と接続する基地局を持ち、車内にはWi-Fiを提供するということだろう。
先日早速使用しようとしたが、バス乗車後にWi-Fi接続を行うと、Webには使用申し込み画面が強制的に表示され、同意ボタンの上に表示された小さな文字を読んでいる間に目的地に到着して下車してしまい、未だ使用出来ていない。
車に酔ったのは久しぶりだ。
運転士の方が大変丁寧に運転してくださっていたのが印象に残った。
話は位置情報の技術に戻る。
Wi-Fiから位置情報を特定するのは、Wi-Fiの位置が変わらない事を前提としている。
つまり、「○○県××市△△町で、AというSSID(又はMACアドレス)をキャッチした」ということをデータベース化しておけば、「AというSSID(又はMACアドレス)がキャッチできるということは、現在地は○○県××市△△町だ」ということだ。
ここで、AというSSIDが移動してしまっては、行く先々が○○県××市△△町になってしまう。
現実問題として、前職で使っていたモバイルWi-FIルータは、前職の事務所がある位置情報として登録されてしまったらしく、営業に行く先々で位置情報を混乱させていた。
Googleではこういった事態やプライバシーの問題を避けるべく「SSID名の最後に _nomap と付けて貰えれば位置情報登録しない」としている。
さて、都営バスが始めたサービスだが、SSIDは「Toei_Bus_Free_Wi-Fi」である。
繰り返しになるが、Wi-Fiからの位置情報特定は、Wi-Fiが移動しないことが前提だ。
類似のサービスである新幹線の車内Wi-Fiは、車外にほとんど漏れない上に、路線沿いに道路や民家は接近していない。周囲で位置情報を誤判定させる要因は少ないと思われる。
だが、路線バスがWi-Fiを吹きながら動くとなると、話は別なのではないか。
外国からの観光客に向けたサービスが、位置情報サービスを混乱させるという、これからの観光にとっては打撃となるであろう事態を引き起こさない事を願う。
なお、私が試した範囲においてだが、バス車内はそもそもGPSが入りにくいため、スマートフォンはWi-Fiの情報を優先させるような動作をした。つまり発車してから、地図上ではほとんど動かないままバスは終点に到着した。
ちっ。Ingressが捗ると思ったのに。
0 件のコメント:
コメントを投稿