Android4.4(KitKat)が公開された。
もしかして他に目玉がないから話題作り?と揶揄してしまうほど、ネスレとの提携は話題を呼んだ。
それ故か、あまり機能的なことが話題になってこなかったが、蓋を開けてみると、省メモリがセールスポイントらしい。
「われわれはエントリーレベルの古い製品を含めてすべてのAndroidデバイスでKitKatが作動するようにした」TECH CRUNCH
誰もが、最後の巨大な市場であることをが認識している、新興国需要を満たすために、安価だが最新のOSを搭載したスマートフォンを開発する手段を用意したということになる。
市場で稼働するスマートフォンの、OSのバージョンが揃うことがどれだけの利益を生むかは、Appleが体現し、世界中のAndroidアプリケーション開発者が身を以て逆説的に証明した。
他にももちろん、省メモリで動作することは、より小型のデバイスへの応用も想定してのことだろう。スマートフォンを主軸とした、Android同士の複数デバイス連携は、より大きな利益と情報をGoogleにもたらす。
ところで、これからAndroidが普及するであろう世界以外にも、既にAndroidが普及した世界も存在し、決してそれは小さくない。
Androidスマートフォンを既にお持ちの、あなたも、そして私もそうだ。
我々から見ると、省メモリは別の意味を持つ可能性がある。
先日、端末メーカーが開発したスマートフォンを、販売後に無償バージョンアップすることは、メーカーの消耗戦だと述べた。
そこで、メーカーは、バージョンアップをしない理由を表明していた。
そのほとんどが「メモリ不足」だったのだ。
Android4.4は、512MBのメモリでも動作すると発表された。
それが実用に耐えるかどうかは問題ではない。
動作すると発表されたのだ。
もうメーカーは「メモリ不足」を理由には出来ない。
ユーザーは「いま使用しているスマートフォンのAndroid4.4へのバージョンアップ」を期待するだろう。もちろん無償で。
対応しないメーカーに対し、ユーザーは不満を持つ。
仮に対応するメーカーがあれば、ユーザーは注目するだろう。
いつのまにか2年縛りが定着したいま、ユーザーは長く使えるスマートフォンを待望する。バージョンアップに積極的なメーカーであることは、選択の理由として大きい。
もちろん、メーカーはこのことを理解し、対応しようとするだろう。
足かせとなるのは、機種の多さだ。
バージョンアップには、開発よりも検証にコストが必要だ。既に販売済みの製品が、バージョンアップで動作しなくなることは、避けねばならない。自分の墓を掘るようなものだ。
例え、複数機種で開発を共通化出来たとしても、検証は各機種で徹底的に行う必要がある。
日本のメーカーは、少しずつ機能の違う機種を、多く並べてしまった。
ユーザーの期待に応えて、テンポ良くバージョンアップをリリースするためには、少ない機種に集中する必要があったのだ。
「このメーカーといえば、この機種」と言われるようならば、販売済みの製品のAndroid4.4対応が、現実的だったかもしれない。
これまでアプリケーション開発者を悩ませてきたAndroidのフラグメンテーションが、今度はメーカーを苦しめるときが来た。
世界に数社しかないではないか。「このメーカーといえば、この機種」といえるラインナップのメーカーは。このままでは、メーカーのフラグメンテーションすら解消されてしまう。
落ち着け!これはGoogleの罠だ!Nexus5欲しいなあ!
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